

夢と現実の境界線で物語を紡ぐ。アーティスト・さいろめが描く『白昼夢』の世界
東京藝術大学先端芸術表現科卒業後、東京藝術大学映像研究科アニメーション専攻に在籍し、音楽・映像・ドローイングを軽やかに横断して制作するアーティスト・さいろめ。2024年の卒業制作展でAKANESAS U 代表・高橋リョウ(以下、高橋)の目に留まり、今回初の個展「白昼夢」を開催した。夢の生成過程に着想を得たダンボールへのドローイング、現実と夢を繋ぐ世界観の創作哲学に迫る。 卒展での出会い——「ビジュアルで引き込む」という哲学の背景にあるもの ――高橋さんがさいろめさんをAKANESAS U にお誘いしたきっかけを教えてください。 高橋:藝大の卒業制作展は毎年伺っていて、2024年に上野の東京都美術館のブースで目に留まったんです。藝大全体の展示なのでめちゃくちゃ大きくて、科ごとにブースが分かれているんですよ。 さいろめ:私は先端芸術表現科のブースにいました。スペースの関係上、仕切りがあまりないんですけど、自分の作品は音が出る関係でちょっと仕切りをもらっていて。仕切りの端っこにモニターが置いてあって、映像を流していました。その頃から、YouTubeを
2025年12月30日読了時間: 10分


「観る者に作品が持つ時間を纏わせる」鑑賞体験へのいざない—中山夏希が絵画と映画を往還する理由
人間の裡にひそむ欲動や揺らぎに、いかにかたちを与えられるのか―アーティスト・中山夏希(以下、中山)は絵画と映画というふたつのメディアを行き来しながら、その問いに向き合い続けている。 東京藝術大学在学中より油画と並行して映画制作に取り組み、学部卒業制作では短編映画『裏切り』を発表。成績優秀者に贈られるO氏記念賞を受賞するなど早くから注目を集めてきた。 TOKYO INTERNATIONAL GALLERYで開催されている個展「河床より来訪者へ」では、静的な絵画と、映画を同一空間に配するという実験的な試みが行われている。その背景や制作に込めた思いを聞いた。 映画『Violation』あらすじ 既婚者である理恵は夫を愛していたが、夫から愛を感じることはなかった。愛があるゆえの背徳感に幸福をもとめてさまざまな男と浮気を重ねる理恵。しかし、満たされることは無い。 やがて別の男の子供を身籠った理恵は、夫に嘘をつき「あなたの子だ」と告げる。子供ができた途端、理恵に対して優しくなる夫。しかし、その優しさは妻に対しての愛では無くただの体、または子供へ向けての対応だ
2025年6月21日読了時間: 7分









